東芝の上場廃止、臨時株主総会で決定　島田太郎社長「再び技術を輝かせたい」

2023/11/22

東芝は２２日、上場廃止に向けた臨時株主総会を東京都内で開いた。東芝を買収した日本産業パートナーズ（ＪＩＰ）など国内連合が一般株主の持ち分を強制的に買い取れるようにするため、株式併合の議案を付議。３分の２以上の賛成を得て承認され、１２月２０日に東京証券取引所への株式上場が廃止されることが決まった。東芝は安定株主の下で社会インフラや量子など強みのある技術力を生かし、経営再建を目指す。

島田太郎社長は「東芝のイノベーティブな技術を世界で再び輝かせたい。それはできると信じている」と述べた。

国内連合は８月８日から９月２０日まで東芝への株式公開買い付け（ＴＯＢ）を実施。東芝株の７８・６５％を取得し、９月２１日にＴＯＢが成立した。

臨時株主総会では、９３００万株を１株にする株式併合を付議された。質問に立った株主からは「ＴＯＢを延期できないか」「リストラした従業員に見返りを出してほしい」「技術者を大切にしてもらいたい」などの声が相次いだ。

不正会計や米原発子会社の巨額損失で危機に陥った東芝は平成２９年１２月に６千億円の大規模増資を実施して上場廃止を回避した。しかし、その後は引受先となった「物言う株主（アクティビスト）」とたびたび対立し、思うような経営ができない状態が続いていた。

https://www.sankei.com/article/20231122-ZJ2GNUU2URKVNPM67SPEKWMCXE/