KDDIが全国1000カ所にドローン　災害対応、米社に出資

2024年5月13日

KDDIは13日、災害支援などを目的に全国1000カ所にドローンを配置すると発表した。人工知能（AI）を使った自律飛行型ドローン（小型無人機）を開発・製造する米スカイディオと資本業務提携し、橋や鉄塔などのインフラ点検に活用する。TOB（株式公開買い付け）が成立したローソンに置くことも検討する。

スカイディオへの出資額は100億円超で、出資比率は非公表。配置が完了すれば、日本国内どこでも10分でドローンが駆けつけることが可能になるという。ローソンのほかKDDIの基地局への設置も検討し、災害時に迅速な対応ができるようにする。

スカイディオの最新機体「Skydio X10」は、同社の機体で初めて5Gなどのモバイル通信に対応する。従来の機体よりもAIやカメラの性能が高く、取得したデータをリアルタイムで3Dで再現できるほか、暗闇での自律飛行も可能だ。KDDIの松田浩路取締役は「点検、災害対応におけるゲームチェンジャーになると確信している」と語った。

米スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」も活用する。通信環境の悪い山間部などのエリアでもドローンが飛行できるようになる。日本は地震などの災害が多く、人手不足も深刻だ。スカイディオのトム・モス経営戦略責任者は「将来的には複数のドローンを1人で使えるよう、開発を進めていきたい」と述べた。

またKDDIがもつ販売チャネルを活用し、アジア太平洋地域でスカイディオの製品を販売する。オーストラリアやニュージーランドから展開し、アジア全体に広げる。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC130F60T10C24A5000000/