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えっ…「代替農薬」「ゲノム編集」を使った農業は「有機栽培」扱いなの!? 巨大ITテックに飲み込まれる日本農業
3/20(月)
いま、世界各国では食料戦略の転換が進んでいる。欧州では、農薬使用量の半減や、有機農業面積を25パーセントに拡大するといった目標を掲げる「Farm to Fork」(農場から食卓まで)戦略が策定されている。
またアメリカは、カーボンフットプリント(生産・流通・消費工程におけるCO2排出量)の大幅削減などを目標とする「農業イノベーションアジェンダ」を2020年に公表している。
一方、こうした世界の潮流に取り残されつつある日本が掲げるのが「みどりの食料システム戦略」である。
2050年までに、農林水産業のゼロエミッション化の実現、化学農薬使用量の低減、有機農業面積の拡大、地産地消型エネルギーシステム構築に向けての規制見直しの検討のほか、「政策手法のグリーン化(一定レベルの環境に優しい農法をしていないと農業補助金を受給できない=クロス・コンプライアンス)」も目指すとしている。
目標数値の提示は無理かと思われたが、なんと、2050年までに稲作を主体に有機栽培面積を25パーセント(100万ヘクタール)に拡大、化学農薬5割減、化学肥料3割減を打ち出している。これらは、欧州が掲げる目標とほぼ同じ水準だ。
数値目標は評価できる一方、本当にたしかな有機農業を推進できるかという点には懸念もある。世界で農薬削減の流れが起きている中、「代替農薬」として、害虫の遺伝子の働きを止めてしまうRNA農薬が視野に入れられている。
このRNA農薬は、化学農薬に代わる次世代農薬として、すでにバイオ企業によって開発が進められている。化学農薬の代わりに、このRNA農薬を使って、「有機栽培」を名乗ることが認められたら、本末転倒である。
小売り大手が有機農産物を囲い込むことも、農産物の買い叩きを余計に助長してしまうだろう。有機農業から得られる利益が、農家ではなく、企業に還元されるのではないかという懸念が拭えない。
また、ゲノム編集作物について、大々的に推進する方向を打ち出している点も懸念される。ゲノム編集作物は、予期せぬ遺伝子損傷が起こるとされ、世界的に懸念が高まっているからだ。ゲノム編集作物であっても、いずれは「有機栽培」を認めるつもりなのだろうか。
また、イノベーション、AI(人工知能)、スマート農業技術などの用語が並んでいる点も違和感を覚える。こうした技術の活用に反対ではないが、いま日本の農業が抱える課題が、スマート化だけで解決できるとは思えない。「高齢化、人手不足はAIで解決する」という方向性は、「農家が消え、コミュニティが崩壊したあと、AIを駆使した企業が農業を独占する」という姿にも見える。
バイオ企業などは、いわゆるスマート農業技術も含め、IT大手とも組んで、農業生産工程全体をトータルに包含したビジネスモデルを展開しつつあるからだ。
政府としては、むしろ「多様な農家が共存しつつ、コミュニティを持続する」方向性を打ち出すべきではなかったか。中小経営や「半農半X」を含む、多様な経営体が地域農業とコミュニティを支えることを再確認した、2020年の「新たな食料・農業・農村基本計画」とも相反するように思われる。
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