ウクライナ人がロシア人に“受け取り”持ちかけたか 覚せい剤約113キロ(末端価格70億3600万円相当)密輸事件で4人逮捕
2023年10月26日
末端価格にして70億3600万円相当の覚せい剤をメキシコから富山市の事務所に密輸したなどとして、ウクライナ国籍の男1人、ロシア国籍の男3人が逮捕されました。ウクライナ国籍の容疑者が、富山市に住むロシア国籍の容疑者に“荷物の受け取り”を持ちかけたとみられます。
麻薬特例法違反や覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)の疑いで逮捕されたのは ウクライナ国籍で住所不定無職のスミルノブ・バレリー容疑者(55)、 ロシア国籍で富山市の機械部品輸入業、ルディコ・アンドレイ容疑者(55)、 ロシア国籍で富山市に住む自称無職のジニン・アレクサンドル容疑者(55)、 ロシア国籍で住所・職業ともに不詳の22歳の男、 あわせて4人です。
警察によりますと、8月28日、容疑者らは営利目的で、航空貨物に覚せい剤約113キロ(末端価格70億3600万円相当)を隠して、メキシコから富山市内の事務所に密輸入した疑いがもたれています。 覚せい剤は「金属製研磨盤」という名目で送られた荷物の中に、118個のケースに小分けされた状態で入れられていました。具体的には、銀色のケースの中に4つの黒い箱が入っていて、その箱の中に小分けされた覚せい剤が隠されていたということです。
成田空港での輸入検査で薬物の疑いが判明し、荷物の送り先が富山市内であったことから、管轄する大阪税関と富山県警が捜査。9月16日に富山市内の会社に覚せい剤が運ばれたところで、現行犯逮捕に至りました。
逮捕された4人は知人関係で、警察は、ウクライナ国籍のスミルノブ容疑者が富山市で機械部品の輸入業を営むルディコ容疑者に会社で荷物を受け取るよう持ちかけたとみています。
富山県内で発覚した覚せい剤密輸事件としては4件目で、今回の事件は過去最多の押収量です。大阪税関の管轄内でも2022年以降に摘発した薬物密輸事件のなかでは、最大規模となっています。
警察は捜査に支障が出るとして4人の認否について明らかにしていません。この4人の薬物検査の結果は陰性で、また、4人はいずれもメキシコへの渡航歴がないことがわかっていて、事件の背景に組織的な関わりがないかなど捜査を進めています。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/799663?display=1