エホバの証人の「宗教虐待」実態を調査 2世信者らの9割以上が「親から受けた」と明かしたことは
2023年11月20日 21時44分
宗教団体「エホバの証人」の2世信者らを支援する弁護団は20日、信仰や教義を背景とした親による虐待の実態調査の結果を公表した。18歳未満で教団の活動に参加した560人のうち、81%(451人)が「輸血拒否カード」を所持していたと回答。弁護団は、厚生労働省が「宗教虐待」とする行為が「全国で継続的、組織的に見られ、現在も続いている」と指摘した。
◆10歳の子の心臓手術を拒否した親も
調査は5月2日から約2カ月間、ウェブサイトなどで実施。宗教2世や3世を中心に15歳〜70代が回答し、現在は信者ではない人が大半を占めた。
厚労省が昨年12月にまとめた宗教虐待の対応に関するQ&A文書は、輸血拒否カードの携帯を強制するなど医療行為を受けさせないことは「ネグレクト」に当たると明記している。
治療で輸血が必要なのに拒否せざるをえなかった事例も複数あった。2013年に心臓の疾患が見つかった当時10歳の子は、両親の反対で8年にわたり手術が受けられなかった。弁護団は「カードは教団が配布し、教団が輸血拒否に実質的に関与している」とした。
◆居眠りしただけで…
560人のうち92%が「集会で居眠りをした」などの理由で、自宅や教団施設内で「むち打ち」の体罰を受けた。主に保護者による行為だったが、教団幹部が指導した例もあった。また、93%が交友や交際の制限を受けたことがあった。
弁護団は東京都内で記者会見し、厚労省が5月までに教団に求めたQ&A文書の信者への周知がされておらず、「教団の姿勢は変わっていない」と非難。田中広太郎弁護士は「児童虐待防止法は対象を保護者に限っているが、組織的な虐待を止める手だてが必要」と訴えた。弁護団はこの日、こども家庭庁に宗教虐待の調査を求める陳情書を提出した。
教団は、弁護団の報告について「個々の事例については事実関係が分からずコメントできないが、彼らの主張は教団で長年強調されてきた点とまったく異なる」と本紙に文書で答えた。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/291266
自分の家庭では当たり前だと思う事も他者から見れば異常な場合も含めたら、更に多くの事例があるかもしれませんね