長崎大学 HPVワクチン 女子学生対象に来月から集団接種へ
06月07日
子宮けいがんなどを防ぐためのHPVワクチンについて、長崎大学は女子学生を対象にした集団接種を、来月から実施することになりました。
HPVワクチンは、子宮けいがんなどの原因となるウイルスの感染を防ぐためのワクチンで小学6年生から高校1年生の女性は無料での接種が可能ですが、国は接種後の体調に関する調査などのため、2013年からおととしまでのおよそ9年間、呼びかけを中止していました。
このため、国はこの期間に対象年齢が過ぎた平成9年度から19年度生まれの女性を対象に無料で接種を受けられる「キャッチアップ接種」を、来年3月まで実施します。
これについて、長崎大学は、在籍する女子学生のほとんどがこの年代に該当することから接種を後押ししようと、来月から、該当するすべての女子学生を対象にしたHPVワクチンの集団接種を行うことになりました。
長崎大学保健センターの中道聖子センター長は「大学の構内でワクチンをうてるので距離的にも近い。また、接種の機会を与えるだけでなく学生に、子宮けいがんの現状や課題を考えてもらう機会にもなる」と話しました。
【HPVワクチン接種とは】
厚生労働省によりますと、HPV=ヒトパピローマウイルスは性交渉の経験のある女性の50%以上が生涯で一度は感染すると推定されています。
子宮の出口付近にできる子宮けいがんは、このウイルスに持続的に感染することで発症することがほとんどです。
日本では、毎年およそ1万1000人の女性が子宮頸がんになり、およそ2900人が亡くなっています。
厚生労働省は、HPVワクチンの接種によってがんの原因となるウイルスの感染のおよそ50から90%を防ぐことができるとしていて、平成25年に小学6年生から高校1年生の女性に対するワクチンの定期接種を開始しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20240607/5030020960.html