日本株大暴落で世界的なドミノ効果=金融専門家
2024年8月5日
日本銀行の利上げが米市場からの資産流出の一因となり、回り回って日本株が暴落するという負のスパイラルに陥っている。露投資会社アンデリダ・フィナンシャル・グループが5日、スプートニクにこのような分析を示した。
「長く続いた日米の金利差が、安い円を借りて高金利のドルを買い、運用益などを稼ぐ円キャリー取引を促進してきた。これが金利差縮小で急変。米市場から資金が流出し、それが日本市場にも悪影響を与えるという負のスパイラルとなっている」
専門家らはさらに、日銀の利上げ、円高進行、米国の経済指標の低迷による景気後退への懸念など、様々な要因が複雑に絡み合い、5日の日経平均株価の大幅安を招いたと指摘した。
一方で露BKF銀行のマクシム・オサチイ分析部長は、「日本の株式市場の大暴落が、世界規模でドミノ効果を呼んでいる」と指摘した。
日経平均株価は5日、前日比4451円安の3万1458円で大引けを迎えた。下げ幅としては過去最大で、1987年の米株価暴落「ブラックマンデー」の際の記録を塗り替えた。また、主要指数が過去最大の下げ幅となった韓国と台湾をはじめ、東南アジアや欧州方面でも軒並み下落となるなど、世界的な株安が広がっている。
日本銀行は7月31日、政策金利である短期金利の誘導目標について、0.1%程度から0.25%への引き上げを決定した。その後、米国との金利差縮小で円高が進み、5日には円相場が一時1ドル=141円台後半まで値上がった。
https://sputniknews.jp/20240805/18926864.html