世界で最も乾燥した土地である南米チリの アタカマ砂漠で、今年もまた「 花が咲き乱れている」ことを知る。そして、改めて「 水の自然災害と二酸化炭素」のことを考える
投稿日:2024年8月14日
南米チリにアタカマ砂漠という場所があります。
「世界で最も乾燥した場所」
と呼ばれている場所でもあり、たとえば、Wikipedia には以下のように書かれています。
アタカマ砂漠 - Wikipedia より
アンデス山脈と海岸の山地によって湿った空気が遮断されているため世界でも最も乾燥した砂漠であり、40年間まったく雨が降らなかった地域もある。
そして、この場所がですね、今から 10年ほど前の 2015年3月に、ものすごい豪雨に襲われたことがあるのです。
その雨量は、
「 7年間分の雨量に相当する雨が 12時間で降り落ちた」
のでした。
これについては、2015年3月の以下の記事の後半に書いています。中盤はなんだか変な記事となっていますが。
(記事)世界で最も雨の少ないチリのアタカマ砂漠が「1日で7年間分の雨」に見舞われ大洪水… In Deep 2015年03月30日
10年ほど前に、そういう大災害があったんですが、「その後、何が起きるようになったか」というと、
「数年おきに、世界で最も乾燥したこの砂漠が 花で覆われる現象が起きるようになった」
のです。
これについては、2015年11月の In Deep の記事でふれたことがあります。
そして、最近の米ロイターの記事と、米エポックタイムズの記事で、
「今年もそれが起きている」
ことを知りました。
自然災害により惹起された生命
エポックタイムズには以下のように記されていました。抜粋です。
エポックタイムズより
約 10年前、チリのアタカマ砂漠は過去 20年間で最大の降雨量に見舞われ、大規模な土砂崩れ、河川の氾濫などにより 28人の死者が発生した。
しかし、この豪雨により、アンデス山脈に隣接する塩原の乾燥した海岸台地は、あたかも「サウンド・オブ・ミュージック」のワンシーンのような様相を呈し始めた。
突然の降雨により、砂漠のいたるところで花が咲き乱れ、何年も、おそらく何十年も砂漠に眠っていた多年生植物の種子が大量に眠っていたため、突然の降雨により突然生命が呼び起こされたのだ。
…この現象は一生に一度の体験などではない。前述のメディアの多くは、数年に一度起こると報じている。
しかし、2017年、2021年、2022年にも再び発生しており、2024年も規模は小さいものの、今まさに発生しているようだ。ロイター通信は 7月8日、アタカマの砂丘が再び白と紫の 花で覆われていると報じた。
Epoch Times
「なるほどなあ」と、10年経って理解しました。
半日で 7年間分の雨量をもたらした豪雨により、
おそらく何十年も砂漠に眠っていた多年生植物の種子が豪雨と洪 水により突然生命が呼び起こされた。
ということだったんですね。
そうであるなら、今後も極端な乾燥に見舞われ続けない限り、その季節になると、このような「花が咲き乱れる」という光景が、 アタカマ砂漠で見られ続けるのかもしれません。
そもそも、少し以前の「二酸化炭素の増加と共に、現在の地球は著しい速度で緑化している」という記事でもふれましたけれど、二酸化炭素が増加している中で、「現在の地球は、植物がとても育ちやすい環境にある」わけです。
この記事でご紹介した米イェール大学の報告書にも、以下のように書かれてありました。
CO2 を豊富に含む空気は、植物が乏しい水を効率的に利用できるようにすることで、最も乾燥した場所でも植物の成長を促すのだ。
災い転じて…なんていう言葉もありますが、どこまで考えてみても、この世に花が咲く場所が増えれば増えるほど、それは感情的にも実質的にも悪いことのわけがないわけですが、おそらくアタカマ砂漠は、以下のふたつで、現在の新たな桃源郷となったのでしょうね。
・10年前の歴史上なかったような豪雨により植物の種が目覚めた
・地球の二酸化炭素の増加により、乾燥して栄養の少ない土地でも植物が育ちやすい条件となっていた
植物が増えていけば、他の生物種も増えていき、生態系もどんどん豊かになっていくと思われます。
今回のことは、豪雨や洪 水といった、いわゆる「水による自然災害」と、二酸化炭素が増え続けている地球の現状というもののバランスを垣間見たような気がします。
人間社会のほうはどうかわからないですが、植物たちにとっての地球の環境はどんどんと良くなっています。
https://indeep.jp/this-is-the-new-atacama/