《両者の発言詳細》
ハリス氏「独裁者たちが応援」トランプ氏「弱くて無能」
ハリス氏は「トランプ氏がキム・ジョンウン総書記とラブレターを交換したことはよく知られている。そしてこうした独裁者たちは、お世辞などでトランプ氏を操れることがはっきりしているので、トランプ氏が再び大統領になることを応援している。だからこそ、安全保障に関して一貫して弱くなく、間違いのない大統領を選ばなければならない」と述べました。これに対し、トランプ氏は「プーチン大統領は『ハリス氏が勝利してほしい』と述べ、彼女を支持した。彼は本気だったと思う。他国のリーダーたちはハリス氏たちが弱くて無能だと思っている。彼らは極めて無能だ」と述べました。
アフガニスタン撤退 ハリス氏「トランプ氏が不利な合意した」
3年前のアメリカ軍のアフガニスタン撤退をめぐり、ハリス副大統領は「わたしはバイデン大統領の決断に同意した。そしてきょう現在、戦闘地域にアメリカ軍の兵士はひとりもいない。そもそもなぜこのようなことになったかを考えよう。トランプ氏が大統領だった時に、最も不利な内容で合意したからだ」と述べました。
アフガニスタン撤退トランプ氏「最悪の撤退」
3年前のアメリカ軍のアフガニスタン撤退をめぐり、トランプ氏は「われわれであれば、多くのアメリカ人を取り残すことも、真新しい兵器を置き去りにすることもなかっただろう。合意にはやるべきことが盛り込まれていたのに、彼らはやらなかった。最悪の撤退で、わが国の歴史上最も恥ずかしい瞬間だった」と述べました。
トランプ氏「ハリス氏は銃没収する計画」ハリス氏は否定
銃規制についてトランプ氏は「ハリス氏は全員から銃を没収するという計画を持っている」と述べました。これに対しハリス氏は「わたしも副大統領候補のウォルズ氏も、銃の所有者だ。誰の銃も取り上げるつもりはない」と述べました。
ハリス氏「気候変動 現実的な問題」
ハリス氏は気候変動対策について問われると「トランプ氏は気候変動はデマだと言ったが、非常に現実的な問題だ。異常気象に見舞われた州に住む人は、住宅保険を拒否されたり、保険料を値上げされたりしている。アメリカの若者たちはこの問題に深い関心を持っている」と述べました。 そして「この4年間、副大統領としてクリーンエネルギー経済に1兆ドルを投資し、国内でのガス生産量を歴史的な水準まで増加させたことを誇りに思う。80万人を超える製造業の新規の雇用も創出した」と述べ、これまでの実績をアピールしました。そのうえで「トランプ氏は製造業の雇用を創出すると言ったが、雇用は失われた」と述べました。
トランプ氏「ハリス氏が勝てば『フラッキング』終わる」
エネルギー政策についてトランプ氏は「もしハリス氏が選挙に勝てばペンシルベニア州での『フラッキング』は初日で終わるだろう」と述べました。そのうえで、「わたしは誰も成し遂げたことがないほど石油産業を軌道に乗せた。もしハリス氏が選挙に勝てば、石油はだめになり、化石燃料はだめになる」と述べました。
ウクライナ侵攻 ハリス氏「トランプ氏は諦める」
ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、ハリス氏は「トランプ氏が24時間以内に戦争を終わらせると言っているのは、ただ諦めるからだ。われわれは50か国を結集させ、ウクライナの正当な防衛を支援した。そのおかげでウクライナは独立した自由な国として立っている。もしトランプ氏が大統領だったら、いまごろプーチン大統領がキーウに居座っていただろう」と述べました。
ウクライナ侵攻 トランプ氏「就任する前に終結させる」
ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、トランプ氏は「戦争を終わらせたい。わたしはゼレンスキー大統領をよく知っているし、プーチン大統領もよく知っている。いい関係にある。そして彼らはわたしに敬意を持っている。わたしが選挙に勝てば、就任する前に終結させる。一方と話し、他方とも話して、彼らを仲介する。戦争を終わらせることがアメリカにとっての利益だ」と述べました。
人種めぐり ハリス氏「国民を分断するために利用は悲劇」
ハリス氏は「大統領になりたいと思っている人間が、これまでのキャリアで一貫して人種をアメリカ国民を分断するために利用しようとしてきたことは正直に言って悲劇だ。わたしたちの大半はわたしたちを分け隔てる点より共通する点のほうが断然多いことを知っている。特に人種によってわたしたちを常に分断しようとするこのような手法は望んでいない」と述べました。
人種めぐり トランプ氏「ハリス氏どうであろうと気にしない」
トランプ氏はハリス氏について「インド系であるとアピールしていたのに突然、黒人になった」と人種をめぐる発言をしたことが適切だったか司会者に問われると「ハリス氏がどうであろうと気にしない。私が言えるのは、ハリス氏が黒人ではないとも、黒人だとも書かれているということだ。どっちでもいい。ハリス氏しだいだ」と述べました。
ガザ情勢 トランプ氏「ハリス氏ならイスラエル消滅」
ガザ情勢をめぐり、トランプ氏は「私が大統領であれば、そもそも戦闘は起きていなかった。ハリス氏が大統領になれば、2年以内にイスラエルは消滅するだろう。彼女はイスラエルが嫌いだし、アラブ人も嫌いだ」と述べました。また、イランについては「トランプ政権下ではイランは破たんしていた。今や豊かな国になり、お金をばらまいている」と述べました。
人工妊娠中絶 ハリス氏「自分の体 決定する自由を」
人工妊娠中絶をめぐってハリス氏は「トランプ氏は女性に対して、自分の体をどうするべきか指示するべきではない。自分の体について決定する自由を、政府によって決定されるべきではないと、アメリカの国民は信じているだろう」と述べました。
人工妊娠中絶 トランプ氏「各州が判断できるように」
トランプ氏は、人工妊娠中絶について「ハリス氏が選んだ副大統領候補は、9か月目での中絶は問題ないと言っているが、それは私にとっては問題だ」と述べました。そして、連邦最高裁判所が2022年、中絶は憲法で認められた権利だとする判断を覆したことについてふれ「6人の最高裁判所の判事の才能と強さを通して実現することが出来た」と述べました。 そのうえで「性的暴行や母体の命に関わるものについては例外だと考えている。中絶について政府に縛られることなく、各州が判断できるようになり、わたしはこのやり方の実現に向けて大いに貢献した」と述べました。
エネルギー政策 ハリス氏「『フラッキング』を禁止しない」
エネルギー政策に関連してハリス氏は「フラッキング」と呼ばれる、地下の岩盤に高圧の水を注入して天然ガスを取り出す技術について「私は2020年に『フラッキング』を禁止しないと明言した。私の立場は、多様なエネルギー源に投資し外国産の石油への依存を減らすべきだというものだ」と述べました。
中東情勢 ハリス氏「イスラエルには自衛する権利ある」
中東情勢をめぐり、ハリス氏は「イスラエルには自衛する権利がある。どのように行うかが問題だ。なぜなら、あまりにも多くの罪のないパレスチナ人や子ども、母親が殺されているからだ。この戦争はすぐに終わらせなければならない。そのためには停戦に向けた合意が必要であり、人質が解放されなければならない」と述べました。
トランプ氏「流入してきた人たち 猫や犬を食べている」
トランプ氏は「数百万人が刑務所や精神科の病院からわれわれの国に流入している」と述べた上で、「オハイオ州のスプリングフィールドでは彼らは犬を食べている。流入してきた人たちが猫を食べている。そこに住む人々のペットを食べている。これが、いまこの国で起きていることだ」と述べました。 これについて司会を務めるABCのアンカーから、「はっきりさせておきたい。ABCとしてスプリングフィールドの担当者に連絡したところ、移民のコミュニティによってペットが危険な目にあったり虐待されたりしているという報告はないと話していた」と指摘される場面がありました。
ハリス氏「国境警備の法案 トランプ氏が廃案にしろと言った」
ハリス氏は「わたしは銃や麻薬、人身売買の国際犯罪組織を起訴してきた」と強調しました。そして、国境管理や移民政策について「上院の保守的な議員を含む議会は国境警備の法案を提出し、わたしはそれを支持した。この法案では国境警備隊が増員され、銃や麻薬、人身売買を行う国際犯罪組織を起訴するための資源を確保することができたはずだ」と述べました。そのうえで「トランプ氏が議員に電話をかけ、法案を廃案にしろと言った」と批判しました。
トランプ氏「司法省を武器として使った」
トランプ氏は、不倫の口止め料をめぐって業務記録を改ざんした罪に問われたニューヨーク州の裁判で有罪の評決が下されたことなどを念頭に、「司法省を武器として使った。この国でかつて起きたことはない、選挙に勝つために利用した。これは偽りの事件だ」と述べました。
ハリス氏「トランプ氏は司法省を利用すると公言」
ハリス氏は3年前に起きた議会乱入事件をめぐり、起訴されたトランプ氏の刑事責任について、連邦最高裁判所がことし7月「大統領在任中の公務としての行動は免責される」という判断を示したことを指摘した上で、「トランプ氏は憲法を廃止し、政敵に対して司法省を利用すると公言している人物だ。ガードレールがない状態で、トランプ氏がホワイトハウスに戻ったら何が起きるのか理解してほしい。間違いなく裁判所はトランプ氏を止めようとしない」と述べました。