Anonymous ID: 6ffbc8 Aug. 22, 2024, 8:31 p.m. No.21464751   🗄️.is 🔗kun   >>1419 >>7849

店に行ってもコメが買えない! 日本の食糧危機はすぐそこ 気づいたときには後の祭り 輸入に依存し国内農家潰したツケ到来

 

2024年8月22日

 

過剰、過剰といわれてきたコメが突如、「足りない」と騒ぎになっている。今年の新米がほぼ出そろう10月までまだ2カ月近くあるが、6月末時点の民間在庫量は前年に比べて41万㌧少ない156万㌧と過去最低水準を記録しており、商品棚がほぼ空になったまま「いつ入荷するかわからない」というスーパーも出ている。流通関係者らはコメ確保に奔走しているが、「まったくない」という。品薄にともなって価格も上昇中だ。政府は「昨夏の猛暑による不作」を理由にしているが、根本的な要因は田んぼを潰し続け、農家の赤字を放置してきた結果、高齢化で離農が加速していることにある。さらに各地で毎年起こる災害がそれに拍車をかけている。だが、現状を踏まえてなお政府は、「需要は減少する」として来年度も生産量を増やさない姿勢を示している。「今年がもし不作なら来年はコメ騒動だ」という現場の危機感とは乖離した悠長さだ。

いびつな食料輸入依存体質への警告

西日本のある大手ディスカウントストアでは、コメの商品棚がほぼ空の状態が続いている。「現在、お米の原料不足により新米まで原料が保てない商品がございます」として、ほとんどの商品で「1家族1点まで」と販売制限をかけている。それでも5㌔袋から2㌔袋にいたるまで、ほとんどが売り切れ状態だ。1㌔700円近くする商品や、無洗米など少し高めの2㌔袋がわずかにあるだけ。この店舗では週に2回入荷する予定だが、入荷日に本当に商品が入ってくるかどうかは不明だという。

別の大手ディスカウントストアでは、入荷の見通しがなく、コメの販売はほぼなくなっている。コメのコーナーには、白米の2㌔袋が数袋残っているだけで、もち米や玄米などの売り場になっている。西日本で大手のスーパーの店頭でも並んでいる商品はごくわずか。空いた商品棚にパックご飯をずらりと並べていた。ある消費者は、コメを購入したくて店員に入荷時期を尋ねると、「注文しても入荷しない状態で、いつ回復するかわからない」という返答だったと話していた。このスーパーでは10㌔袋は取扱いが中止になっているという。

日頃の取引状況もあるのか、チェーンによっては西日本産米の5㌔袋が入荷されているところもあり、ばらつきはあるものの多くの店頭で品薄状態になっている。「お米の原料不足のため、供給がひっ迫しております」「欠品・品薄が発生しております」「供給状態が不安定なため、商品が入荷しない場合があります」など、各店舗のコメ売り場にはポップが並び、消費者にコメ不足を訴えている。

小・中学校はまだ夏休みで、家に子どもたちがいる分、いつも以上に食料が必要な時期。「今日はコメを買って帰ろうと思っていたが、2㌔を買ってもすぐになくなるし、どうしようか…」とわずかに残った商品の前で悩む家族連れや、「コメがない!!」と驚いてしばし立ち止まる家族連れの姿も見られる。

価格も上昇している。スーパーでいつも同じ銘柄を購入しているという女性によれば、以前は5㌔で1980円ほどだったものが2080円になり、2800円まで上がっていたという。別の男性も「いつも買う5㌔袋は1500円くらいだったのが、2700円になっている。“政治改革”などといっているが、まずみんなの生活を何とかしてほしい」と怒りを込めた。

 

新米の価格高騰は必至 流通業界も戦々恐々

コメ不足がニュースになり始めたのは5月以降だが、コメ流通業界では、今年に入ったころから不足が騒がれ始めていたという。

業界関係者は「すべての銘柄でコメがない。コシヒカリの新米が本格的に出始めるのがあと1カ月後くらいで、ヒノヒカリになると11月頃になる。コメがひっ迫しているから売上を上げるチャンスだが、売る物がない。主要なお得意さんの食堂やホテル、施設、病院などに納品する在庫を切らしてしまうと、取引を打ち切られてしまうので、スーパーや米穀店からの注文を半分くらい断り、新米が出そろって品不足が解消されるまでは在庫を温存するようにしている」と話した。

「今、在庫を持っている農家があれば業者は言い値で買いとる」というほど、現場では不足感が増している。しかしコメ不足を報じるニュースの最後には必ず政府の「ひっ迫していない」というコメントがついている。「ひっ迫していないから政府備蓄米は放出しない」という意味だ。あまりにも乖離した感覚に、現場からは「その情報はどこから得たのか?」「ということは、価格引き上げのためにだれかが持っているということなのか?」との声も上がっている。

こうしたなかで農家の元には「コメがないか」という問い合わせがあいついでいる。ある農家は「ここ最近、知人から連絡が入ってくるのは、すべて“コメはないか”という話ばかりだ。合計すると50袋(1袋30㌔)近くになる。直売をしているので保管している量は決まっている。この時期になるとないものはない。これでまた、緊急輸入のような話にならないかと心配だ」と話した。

全国で最初に出回る宮崎県産の新米が盆前に出始めたが、その時点で1俵(60㌔)8000円値上がりしていたという。宮崎県産の新米は1俵2万4000~2万5000円で取引されており、山口県産の新米も1俵2万円をこえると見込まれている。

業界関係者の一人は、「新米がすべて出そろう10月になれば物がない状態は一応解消されるが、新米は10㌔当り1000円以上上がる見込みだ。これからはスーパーの店頭でも10㌔5000円が当たり前の世界になって、特売で2980円などはなくなると見ている」と話した。

米穀店の店主も「銘柄などにこだわっていないので、今のところなんとか注文分は入荷しているが、宮崎の新米は高すぎて仕入れていない。新米は2万円前後の取引になりそうだという。コメ屋としては新米が出てきた後が怖い。値上げするしかないが、お客さんにどれだけ価格転嫁できるだろうかと不安だ」と話した。

米国産米への置換えも 増産せず輸入増やす政府

この状況にあっても政府には生産強化に舵を切る姿勢も、政府備蓄を強化する姿勢もみられない。

それどころか昨年度の補正予算では「田んぼを潰せば手切れ金を出す」(1回限り)という政策を打ち出し、それに750億円を計上している。まだまだ田んぼを潰すつもりだ。そのなかで見逃せない動きとして指摘されているのが、国産米の不足に乗じてカリフォルニア米への置き換えが進んでいることだ。

コメ流通関係者は「大手の総菜企業がカリフォルニア米を使い始めたということだ。円安なので価格はあまり変わらないが、味自体は悪くない。大手が使い始めれば追随してそちらに流れていく企業も出てくるのではないか」と指摘した。米菓(あられ・せんべい)の原料不足で業界団体がMA(ミニマム・アクセス)米を低価格で安定的に供給するよう要望する動きもあり、米国産うるち米の成約状況は、23年4~6月の103㌧から、24年4~6月は2839㌧へと28倍も拡大している。相当量がMA米に切り替わっていることを示している。

それはすでにスーパーの店頭にも流入している。70代の女性は「先日、コメを探して数店舗回ったが、国産は5㌔3000円をこえる物ばかりなので手が出ず、あるスーパーでカリフォルニア米が4㌔1680円で売っているのを見つけて2袋買った」と話した。4㌔1680円ということは、5㌔に換算すると2100円。国産米が5㌔で3000円前後の水準になっているなかで割安だ。近年、米国産米の輸入価格は国産米より高値になっている。それが国産より低価格で販売されているのはなぜか? である。

農業関係者の一人は、「これまで買い叩かれてきた国産米の価格水準が上がることは、赤字で農業を続けてきた農家にとって喜ぶべきことだが、もし輸入米がそれにとってかわれば、ますます国内農業が疲弊していく」と警戒感を語っていた。

そもそも、「日本人のコメ離れ」「過剰在庫」を騒いで国内の作付け面積を減らしながら、MA米77万㌧(玄米換算)を毎年輸入し続けてきたのが日本政府だ。本来は低関税を適用して、輸出機会を保障するというだけの約束であり、他国は全量買い入れなどしていないが、アメリカの要求に従って日本政府だけが「最低輸入義務」だといい張って全量買い続けている。そして、入札にかけてもだれも買わないので飼料用に回し、差損を埋めるために毎年税金を700億円も投入してきた。

1993年の凶作を契機に、国内増産に向かうのではなく輸入が自由化されていった経験を踏まえて、この動きへの警戒感は高まっている。

 

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https://www.chosyu-journal.jp/shakai/31495