こちらの記事から一部転載です
https://indeep.jp/here-some-things-zuckerberg-acknowledged/
SNSの今後:メタCEOが「コロナ時代にフェイスブックで情報を検閲したことを後悔している」と議員宛の書簡につづる。その書簡全文
投稿日:2024年8月27日
ザッカーバーグ氏が下院司法委員長に宛てた書簡
メンロパーク、カリフォルニア州 94025 米国 2024年8月26日 ジム・ジョーダン上院議員宛て
現在、米国政府がメタのような企業とどのように関わっているかについて多くの議論が行われていますが、私たちの立場を明確にしておきたいと思います。
私たちのプラットフォームはすべての人のためのものであり、言論を促進し、人々が安全で安心な方法でつながることを支援することを目的としています。
この一環として、私たちは世界中の政府や、公共の言説や公共の安全に関するさまざまな懸念を持つ他の人々から定期的に連絡を受けています。
2021年、ホワイトハウスを含むバイデン政権の高官たちは、ユーモアや風刺を含む特定の COVID-19 コンテンツを検閲するよう何ヶ月も繰り返し私たちのチームに圧力をかけ、私たちが同意しなかったときには私たちのチームに多大な不満を表明しました。
最終的にコンテンツを削除するかどうかは私たちの決定であり、この圧力を受けて施行に加えた COVID-19 関連の変更を含め、私たちの決定は私たちの責任です。
あの政府の圧力は間違っていたと今は確信しており、私たちがそれについてもっと率直に発言しなかったことを後悔しています。
また、後知恵と新しい情報のおかげで、(その時には)今ではしないであろう選択をしたと思っています。
当時チームに言ったように、私は、どちらの方向からの圧力によってもコンテンツ基準を妥協すべきではないと強く感じており、このようなことが再び起こった場合は反撃する準備ができています。
別の状況では、2020年の(大統領)選挙を前に、FBI はバイデン一家とブリスマ(ウクライナの天然ガス企業)に関するロシアの偽情報工作の可能性について警告しました。
その秋、当時民主党の大統領候補だったジョー・バイデンの家族が関与する汚職疑惑を報じたニューヨーク・ポストの記事を見たとき、私たちはその記事をファクトチェッカーに送って確認し、返答を待つ間一時的に格下げしました。
その後、その報道はロシアの偽情報ではなかったことが明らかになりましたが、振り返ってみると、私たちはその記事を格下げすべきではありませんでした。
私たちは、このようなことが二度と起こらないようにポリシーとプロセスを変更しました。たとえば、ファクトチェッカーを待つ間、米国においては、一時的に格下げすることはもうありません。
コンテンツのモデレーションとは別に、前回の大統領選挙期間中に選挙インフラを支援するために私が行った貢献についてお話ししたいと思います。
ここでの考え方は、全国の地方選挙管轄区域が、世界的なパンデミックの最中に人々が安全に投票できるようにするために必要なリソースを確保することでした。
私はこれらの寄付を、チャン・ザッカーバーグ・イニシアティブ を通じて行いました。これらは無党派となるように設計されており、都市部、農村部、郊外のコミュニティに広がっています。
それでも、私が見た分析ではそうではないことが示されていますが、この取り組みが一方の党に利益をもたらしたと考える人がいることはわかっています。私の目標は中立であり、どちらか一方に役割を果たさず、役割を果たしているように見せかけないことです。そのため、今回の選挙では同様の寄付を行う予定はありません。
敬具
マーク・ザッカーバーグ メタ・プラットフォーム.Inc 創設者、会長兼 CEO
ここまでです。
ここに出てくるウクライナの天然ガス企業「ブリスマ」というのは、バイデン大統領の次男のハンター氏との関係について、当時報じられていたことだと思います。
2023年8月4日のロイターより
バイデン米大統領の次男ハンター氏が約10年前に役員を務めたウクライナのエネルギー会社ブリスマの元取締役デボン・アーチャー氏が(2023年)7月31日、米下院監視・説明責任委員会の聴取で、ハンター氏が父親との結び付きによる影響力を持っているとの印象をブリスマ幹部に与えたと話した。
アーチャー氏はハンター氏について「彼は多額の報酬を受け取っていた。彼は自分の価値を示したかったのだと思う」と語った。
reuters.com
このことはともかくとして、ザッカーバーグ氏は、以下のふたつのことを認めたことになります、
・コロナ(とワクチン)当時のバイデン・ハリス政権は、フェイスブックに米国人の投稿を検閲するよう圧力をかけた。
・そして、フェイスブックは実際に米国人の投稿を検閲した。
この書簡では、一応、「今後はそういうことはしない」というようなニュアンスも感じられなくもないですが、しかし、そのことを強く述べているというわけでもないですね。
私は基本的に、メジャーなソーシャルネットのトップの人はあまり誰も信用していませんので、何がどう転んでいこうと不思議には思わないですが、ただ、今の新しい段階のひとつとして、
「政府自体がソーシャルネットへの書き込みを検閲できる」
ということになってきています。
無法が世界に広がるとき
少し前の「無法の英国」という記事では、「オンラインで人種憎悪をあおった」として X ユーザーが英国警察に逮捕されたことを取り上げましたが、英国では、投稿内容に対しての逮捕や投獄の例がとても多くなっているようです。
ですので、仮にソーシャルネットが自由で公平なプラットフォームであったという場合でも、今度は「国家による社会監視を恐れて、誰も何も書き込めなくなる」ということ自体が一般化していく時代(あるいは、そういう国)も出てくるかもしれません。
先日も、通信アプリのテレグラムの CEO が逮捕されていましたが、その理由のひとつが、
> テレグラムが犯罪の連絡手段に利用されていることを放置した疑いが持たれている。
では、もう他のいろいろなものがどうにもならない。
たとえば、X をドラッグ取引等の連絡用に使った人がいたとしたなら、同様の罪状で トップの人間を拘束することができそうですし、「 X で人種憎悪をあおった」という理由付けもできなくもないはずです。
ソーシャルネットが自由で公平な方向に仮に進んだとしても、今度は、それを潰そうとする「力」が登場するだけなのかなとも思います。
英国が突然「警察国家」のようになったことについて、アメリカン・シンカーというメディアが伝えていまして、そこで、著者は、
「 1000年以上かけて実現した自由な英国は、わずか 2か月足らずで実質的にスターリン主義の警察国家と化した」
と記していました。
どこの国でも起き得ることだと思います。
実際、それこそ日本は、かってそういう国だったんですから。マスクとワクチンの時代には、何度もその 80年前などの日本の姿を思い浮かべていました。