ミルグラム実験が示す人類の「特性」
このミルグラム実験の目的とその結果は、簡単に書けば、以下のようになります。
実験の結果は、普通の平凡な市民でも、一定の条件下では冷酷で非人道的な行為を行うことを証明するものであった。 Wikipedia
サブスタック記事の説明だけではわかりにくいですので、もう少しわかりやすく書かれているページから抜粋します。立命館大学文学部心理学科のサトウタツヤ助教授によるものです。
「ミルグラムの電気ショック実験」より
…実験は大まかにいうと以下のようなものです。
「体罰と学習効果の測定」で 80名が被験者として参加し,隣室にいる生徒役の回答が間違うたびにより強い電気ショックを与えることを要求されます。もちろん,生徒役に電気は流れていないので苦しんでいるふりをしているだけです。うめき声がやがて絶叫となっても被験者は実験者が「大丈夫です」と言うのにこたえて強くし続けました。
最終的に65%の参加者が命の危険がある450Vのショックを与えることになりました。ミルグラムはこの実験をさまざまな状況で行いましたが,61~66%の範囲の人たちが致死の電気ショックを与えたということがわかっています
psych.or.jp
約 65%の人たちが、
「自分に責任がないことが明確な場合、人を殺せる」
という「心理」を持っていることがわかったということです。
しかし、もっと興味深いのは、この実験の最大電圧(致死電圧)まで続けたのは 65%だったかもしれないですが、Wikipedia によると、以下のようになっていました。
> …権威のある博士らしき男の強い進言によって一切責任を負わないということを確認した上で実験を継続しており、300ボルトに達する前に実験を中止した者は一人もいなかった。
実験に参加した「 100%」が、相当高い電圧まで実験をやめなかったのです。
これはアメリカでの実験ですので、多くがアメリカ人でしょうが、人種云々を別にして、「人類はこのような性質を内部に持っている」こともまた現実のようです。
これが人類の持つ原罪のようなものなのだとすれば、そうそう簡単に変わることのできることではないでしょうが、次に人類が進化するのなら、このあたりの進化も伴ってほしいようにも思います。
しかし、今の世では、今度「別の何か」が起きた場合、コロナのときと同じような、しかしコロナのときとは「種類が異なる圧力」が仕掛けられるとも思います。
そのとき、社会がどうなるのかということを考えます。