“ガザ地区でイスラエルとハマス 停戦合意” カタール発表
2025年1月16日 7時35分
カタール政府は15日、ガザ地区で戦闘を続けるイスラエルとイスラム組織ハマスが今月19日から6週間、停戦し、ハマスが33人の人質を解放することで合意したと発表しました。
ガザ地区では1年3か月以上にわたる戦闘で4万6000人以上が死亡していて、停戦が守られ、人道状況の改善につながるかが焦点です。
停戦が守られ 人道状況の改善につながるかが焦点
ガザ地区で戦闘を続けるイスラエルとハマスの間の停戦と人質の解放に向けた協議をめぐり、仲介国のカタールのムハンマド首相兼外相は、今月19日から6週間、停戦することで合意したと発表しました。 停戦の期間中にハマスが33人の人質を解放し、イスラエル側は刑務所に収容しているパレスチナ人を釈放するとしています。 また、イスラエル軍はガザ地区の人口が密集する地域から撤退し、住民が帰還できるようにするほか、人道支援物資の搬入と配布を拡大するとしています。さらにこの間、協議を続け、恒久的な停戦を目指すとしています。 協議をめぐってはイスラエルが、停戦後もガザ地区の戦略的要衝への駐留を主張してきた一方、ハマスはイスラエル軍の完全な撤退を繰り返し求め、協議は難航してきました。 ただ、去年10月には、イスラエル軍がハマスのシンワル最高幹部を殺害し、去年11月にはハマスに連帯を示しイスラエルへの攻撃を続けてきたレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラが停戦に応じたことなどで、ハマスが孤立を深め、これまでより譲歩する姿勢を示していると報じられていました。 また、アメリカのトランプ次期大統領もみずからが就任する今月20日までに停戦合意を実現するようハマスへの圧力とイスラエルへの働きかけを強めていました。カタールでの協議にはバイデン政権の高官に加えてトランプ次期政権の中東担当の特使も参加するなどアメリカの政権交代を前に関係国が合意の実現を目指していました。 ガザ地区ではおととし10月に戦闘が始まってからこれまでに4万6000人以上が死亡していて、停戦が守られ、人道状況の改善につながるかが焦点です。
カタール発表の停戦合意内容は
カタールのムハンマド首相兼外相は15日、首都ドーハで会見を行い、イスラエルとイスラム組織ハマスが停戦と人質解放で合意したと発表しました。 それによりますと、停戦と人質解放は今後、3段階に分かれて行われ、第1段階は、今月19日から始まり、6週間にわたって停戦するとしています。 停戦期間中にハマスは33人の人質を解放する一方、イスラエルは刑務所に収容しているパレスチナ人を釈放します。また、イスラエル軍はガザ地区の人口が密集する地域から撤退し、住民がそれぞれの地域に帰還できるようにするとしています。 さらにこの間、住民が必要としている人道支援物資の搬入と配布を拡大し、ガザ地区にある医療施設の改修なども行うとしています。 そして、第2段階と第3段階について協議を続け、恒久的な停戦を目指すとしています。 また、双方に対し、これ以上の犠牲を出さないためにも、合意を履行することを強く求めた上で、履行を監視する拠点をエジプトの首都カイロに設置し、仲介役を担ったカタールとエジプト、それにアメリカの合同チームが監視にあたると説明しました。
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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250116/k10014694571000.html