カナダ首相、トランプ氏とフロリダの邸宅で会談-貿易や国境問題協議
Josh Wingrove、Brian Platt
2024年11月30日 9:24 JST
更新日時 2024年11月30日 18:14 JST
カナダのトルドー首相は29日、トランプ次期米大統領とフロリダ州の邸宅で夕食を取りながら会談し、貿易や国境、合成麻薬フェンタニルといったトランプ氏が関税の脅しをちらつかせる諸問題を話し合った。
トランプ氏は、カナダとメキシコが違法薬物と不法移民の米国への流入を止めない限り、両国からの全ての輸入品に25%の関税を課すと警告している。トルドー首相は、29日夜にフロリダ州ウェストパームビーチに到着した。
非公開情報を理由に当局者2人が匿名を条件に語ったところでは、約3時間の会食では、防衛や北大西洋条約機構(NATO)、ウクライナ、中国を含む幅広い問題が取り上げられ、バイデン政権が認可を取り消したキーストーンXLを含む複数のパイプライン事業についても意見が交わされた。
関係者によると、フロリダ州のトランプ氏の邸宅「マールアラーゴ」で開かれた夕食会には、国境の治安を担当するカナダのルブラン公安相とテルフォード首相首席補佐官、米国側からは内務長官に起用されるダグ・バーガム氏と商務長官への登用が決まったハワード・ラトニック氏、大統領補佐官(国家安全保障担当)となるマイケル・ウォルツ氏らが出席した。
通常の業務時間外に双方の担当者にコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。
トランプ氏は25日、中国に対する10%の追加関税に加え、カナダとメキシコにも25%の関税を課すと表明し、11月の米大統領選で有権者の最大の関心事だった国境の治安確保に必要不可欠だと説明した。
匿名の政府当局者によれば、トルドー首相はトランプ氏との直後の電話会談で、カナダ国境から米国に入る移民の数は、メキシコからの流入と比べ極めて少ないと指摘したという。カナダ当局者も最近、合成麻薬フェンタニルの流入に対処するため米側と緊密に協議していると直ちに主張していた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-11-30/SNQJ7TT0G1KW00?srnd=cojp-v2