英伊に続いて日本も容認 次期戦闘機開発に資金力のサウジが参画
2024年11月30日
日英伊による次期戦闘機の開発計画「グローバル戦闘航空プログラム」(GCAP)にサウジアラビアが参画する見通しが立ってきた。サウジはこれまで数年にわたって、GCAP参画への希望を表明してきた。サウジ参画については英伊が前向きに構えていたのに対して、日本は国内の懸念への配慮から慎重な姿勢を示してきた。
GCAPは日英伊による第6世代ジェット戦闘機の共同開発プログラム。英軍、伊軍はユーロファイタータイフーンを、日本の航空自衛隊はF-2を後継の戦闘機と置き換える。配備開始目標は2035年。このユーロファイタータイフーンをサウジは開発国以外では最も早い段階に最多の72機を導入していることから、GCAPへの関心は当初から高い。
ところが、日英伊3国とも財政的な困難を抱えており、参加国を加え、支出を削減することへの関心は高い。英国防省はすでに10月に、GCAPと、GCAPや無人航空機などで構成されるFCAS(将来戦闘航空システム)に関する2025年度の支出を、当初計画から1億6000万ポンド削減し、13億ポンドとする方針を明らかにしていた。
国内ではAUKUSのための新原子力潜水艦の開発とGCAPの両立は財政的にきついとの見方から、GCAP見直し論は常にあった。ただし、11月8日、スターマー英首相は懸念を払しょくし、戦闘機開発は行うと明らかにしたと英メディアは伝えている。
イタリアは11月27日、同国ANSA通信が、イタリアのタヤニ外相は下院でのイタリア党会議で「英国•日本と結んだグローバル戦闘航空プログラム(GCAP)協定をサウジアラビアに拡大する」と明らかにしたと報じていた。
11月初めのロイター通信の報道によれば、3か国はブラジルの会合でGCAP協定の拡大について話し合っていた。なお開発にはイタリアはレオナルド社、英国はBAEシステムズ社、日本は三菱重工業が参加する。
https://sputniknews.jp/20241130/19368068.html