トランプ大統領 相互関税日本に24% 一律10%関税【一覧表も】
2025年4月3日
アメリカのトランプ大統領は2日、ホワイトハウスで演説し、貿易相手国の関税率や非関税障壁を踏まえて自国の関税を引き上げる「相互関税」として、日本には24%の関税を課すことを明らかにしました。また、個別の関税率を示していないすべての国や地域を対象に一律で10%の関税を課すこともあわせて発表し、世界経済への大きな影響が懸念されます。
これは、トランプ大統領が2日、ホワイトハウスの演説で明らかにしました。
この中で「まもなく世界中の国々に対して相互関税を導入する歴史的な大統領令に署名する。つまり、相手がわれわれに対して行うことはわれわれも相手に対して行うということだ。非常に単純な話だ。これほど単純なことはない」と述べ、貿易相手国の関税率や非関税障壁を踏まえて自国の関税を引き上げる「相互関税」を導入する考えを明らかにしました。
日本については、アメリカにとっての非関税障壁を考慮すると、46%の関税に相当すると主張し、24%の関税を課すとしています。
日本以外の国や地域では、▼中国に対して34%、▼インドに26%、▼EU=ヨーロッパ連合に20%などとなっていて、この措置はアメリカ東部時間の今月9日に発動するということです。
また、トランプ大統領は基本の関税率を設定し、すべての国や地域を対象に一律で10%を課すこともあわせて発表しました。この措置は今月5日に発動するとしていますが、日本のように個別の関税率が示された国などに上乗せされる形にはなりません。
いずれの措置も大統領が緊急事態を宣言すれば輸入や輸出などに規制をかけることができる「IEEPA=国際緊急経済権限法」にもとづくもので、アメリカが抱える巨額の貿易赤字や国内産業の空洞化が緊急事態にあたるとしています。
カナダとメキシコは今回の措置の対象とはせず引き続き25%の関税を課す一方で、3か国の貿易協定に含まれる品目については関税を課さない特例措置を当面、継続するとしています。
日本を含めた幅広い国や地域への関税措置は、世界経済に大きな影響を与えることが懸念されます。
主な国や地域に対する相互関税の税率は
トランプ大統領が演説で示した主な国や地域に対する相互関税の税率は次のとおりです。
▼中国が34%、▼EU=ヨーロッパ連合が20%、▼台湾が32%、▼日本が24%、▼インドが26%、▼韓国が25%、▼インドネシアが32%、▼カンボジアが49%、▼ベトナムが46%、▼タイが36%、▼マレーシアが24%、▼スイスが31%、▼イギリスが10%▼トルコが10%、▼エジプトが10%、▼サウジアラビアが10%、▼UAE=アラブ首長国連邦が10%、などとなっています。
トランプ大統領が演説で示した国や地域別の税率の一覧には、▼それぞれの国などがアメリカに対して課しているとする関税の税率と、▼アメリカが今回の措置で課す相互関税の税率が並べて示されています。
このうちアメリカに対して各国が課しているとする税率には「為替操作や貿易障壁も含む」との説明が書かれています。
ただ、この一覧には詳しい算出方法は示されていません。またアメリカが課す税率には「アメリカが割引した相互関税」と書かれています。
「アメリカ史上最も重要な日のひとつ」
アメリカのトランプ大統領は「きょうはアメリカ史上最も重要な日のひとつであると私は考える。経済的な独立の宣言であり、長年にわたって勤勉なアメリカ市民は、他国が富と力を手に入れる傍らで傍観を余儀なくされてきた。今こそ我々が繁栄する番であり、何兆ドルもの繁栄を実現し、その過程において何兆ドルもの減税と、国家債務の削減を行うことが出来る。きょうの措置によって、我々はついにアメリカを再び偉大にすることができ、かつてないほど偉大な国にすることができる」と述べました。
「長い間待ち望んでいた、解放の日だ」
アメリカのトランプ大統領は相互関税について演説し「長い間待ち望んでいた、解放の日だ。2025年4月2日は、アメリカの産業が生まれ変わった日、アメリカの運命が取り戻された日、そしてアメリカを再び裕福にし始めた日として永遠に記憶されるだろう」と述べました。
自動車の追加関税を正式表明
アメリカのトランプ大統領は2日、ホワイトハウスで演説し、輸入される自動車に追加関税を課すと正式に表明しました。すべての国からの輸入車が対象で、3日から25%の関税が上乗せされることになります。
「日本はアメリカ産のコメに700%の関税」
アメリカのトランプ大統領は「われわれの友人である日本はアメリカ産のコメに700%の関税をかけている」と述べて批判しました。
「日本はとてもタフ」
アメリカのトランプ大統領は相互関税の演説で「日本はとてもタフですばらしい人たちだ。私は彼らを責めるつもりはない。彼らは賢いと思う」と述べました。
「日本では自動車の94%が日本製」
アメリカのトランプ大統領は「おそらく最もひどいのは、韓国、日本、その他多くの国々が巨大な貿易障壁の結果として課している非金銭的な制限だ。韓国においては自動車の81%が韓国製だ。日本では自動車の94%が日本製だ。トヨタはアメリカで100万台の外国製の車を販売している。一方、ゼネラルモーターズもフォードもほとんど販売をしていない。どのアメリカ企業も他国に進出することは許されていないのだ」と述べました。 そのうえで、「このような恐ろしい不均衡は、わが国の産業基盤を荒廃させ、国家の安全保障を危険にさらしてる」と述べました。
「シンゾウと取り引きをした」
アメリカのトランプ大統領は相互関税の演説で安倍元総理大臣について触れ「私はかつて彼のもとに行き『シンゾウ、われわれは何かしなければならない。貿易が公平ではない』と伝えた」と述べました。 その上で「彼はすばらしい男だ。私が何を言おうとしているか、即座に理解した。私が『われわれは何かをしなければならない』と言うと、彼は『わかっている』とこたえ、私たちは取り引きをした」と述べました。
詳細
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250403/k10014768241000.html