日中ハイレベル経済対話、日本産水産物輸入再開の進展を確認
更新日時 2025年3月22日 21:23 JST
日本と中国は22日、東京都内で6年ぶりとなるハイレベル経済対話を開いた。貿易を巡り米国からの圧力が高まる中、両国間の緊張を緩和させるのが目的だった。
岩屋毅外相は、中国の王毅外相との会談後に記者団に対し「非常に活発な議論で、時間も長引いてしまったが、実り多い議論だったと思う」と語った。王氏とは尖閣諸島を巡る問題に加え、中国による日本産水産物の輸入再開に向けた関連プロセスの進展を確認したほか、牛肉など農産物の輸入再開についても協議したと、岩屋氏は述べた。
岩屋氏は米国についてはこの日のいずれの会談においても主たる話題とはならなかったと説明した。
同氏は同日に開催された日韓外相会談に言及し、韓国とは緊密に連携し、米国ともしっかり意思疎通することで一致したと述べたが、それ以上の説明はしなかった。米国の関税について王氏と何を話したかについても明らかにしていない。
トランプ米大統領は4月2日にさらなる関税措置を発表する見通し。日本は米政府に関税免除を直接働きかけようとしたが、その試みは失敗に終わっている。
中国は日本にとって最大の貿易相手国だが、両国は領土問題をはじめ、東京電力福島第一原発の処理水放出を受けて中国が日本産水産物の輸入を禁止したことなどを巡り対立が続いている。
日中韓の3カ国は同日これに先立ち、都内で外相会議を開催した。経済的混乱や世界的な政治的緊張の高まりに直面する中、協力を推進するとともに、早期の首脳会議開催に向け、作業を加速させることで一致した。
岩屋氏および韓国の趙兌烈外相と共に会議に出席した王氏は、「多国間主義と自由貿易を堅持し、より包括的な方向で経済のグローバル化を推進する」としたが、それ以上の説明は行わなかった。
王氏は会議後、「国際情勢が複雑に絡み合い世界経済の回復が弱いことを背景に、中日韓は互いの意思疎通をさらに強化し、相互信頼を高め、協力を深める必要や責任があるとの認識で一致した」と述べた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-03-22/STIBKMT1UM0W00?srnd=cojp-v2